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直島 〜 瀬戸内国際芸術祭2016年の島旅①

クラブツーリズの企画ツアーで「瀬戸内国際芸術祭2016」が開催されている直島、犬島、豊島に訪れた。二日間の旅行で、移動は基本的に船。島旅に離れていないので、今回のツアーで様子を知っておくのも目的だった。

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「瀬戸内国際芸術祭2016」は3年に一度開催される芸術祭で、2010年が初回。前回が2013年なので、これで3回目。開催するたびに参加する島が増えている。
会期は3回に別れている。合計で108日間。

◎春 2016年3月20日[日・春分の日]—4月17日[日] 29日間
◎夏 2016年7月18日[月・海の日]—9月4日[日] 49日間
◎秋 2016年10月8日[土]—11月6日[日] 30日間

総合プロデューサーが株式会社ベネッセ・ホールディングスの最高顧問の福武總一郎さん。
今回の総合ディレクターはアートディレクターの北川フラムさん。多数の芸術際に関わっている大ベテラン。フラムは本名だそうだ。名前から若い人だと思っていた。
芸術祭の歴史を辿っていくと、直島の町長と福武總一郎さんの出会いから始まり、直島の開発から、犬島、豊島の開発と広がり、アーティストを招いて制作するスタイルの作品制作の場が広がり、芸術祭につながっている。パリ、ニューヨークへのプレゼンテーションにより、海外からの観光客も多数訪れる芸術祭となった。

1985年 当時の直島町長三宅親連さんと福武總一郎さんが出会い、直島開発を約束
1992年 ベネッセハウスオープン
1994年 「OUT OF BOUNDS」展 草間彌生さん「南瓜」発表
1996年 サイトスペシフィック・ワークへの方向転換。作品購入からアーティストを島に呼び製作。
1998年 直島で「家プロジェクト」開始
2004年 地中美術館 開館
2008年 犬島精錬所美術館開館
2010年 犬島「家プロジェクト」開始
2010年 瀬戸内国際芸術祭2010 開幕(直島、豊島、 女木島、男木島、小豆島、大島、犬島)
2010年 豊島美術館 開館
2013年 直島ANDO MUSEUM 開館
2013年 瀬戸内国際芸術祭2013 開幕(前回7島+沙弥島、本島、高見島、粟島、伊吹島の13島)
2016年 瀬戸内国際芸術祭2013 開幕(13島)


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8時14分新大阪駅発の新幹線で岡山に向かう。岡山駅で昼ごはん用の弁当を購入。おにぎり弁当。相棒は穴子飯。その後、瀬戸大橋線で高松駅行のマリンライナーに乗り換える。どんな車種が来るのか楽しみにしていたら、神戸線の新快速と同じ。がっかり。岡山駅周辺の住宅街を抜けると、すぐに田園地帯に。茶屋町駅で下車し、宇野みなと線の宇野港行の各停に乗り換える。途中、常山駅近くでハード型に刈られた田んぼに出会う。これはフラワーアーティスト萬木善之さんの作品、「十二単(ひとえ)」。開催中は赤、オレンジ、青色などの不織布が敷き詰められていたが、今は縁取りがのこるのみ。芸術祭に向かう気持ちが高ぶっていく。

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宇野港に到着。ターミナル駅の改札を抜けると、きれいに整備された港が広がる。すると、すぐに瀬戸内国際芸術祭の展示物とであう。スタンプもあるが、ツアーですぐにフェリーに乗らないといけないので、写真を急いで撮って通り過ぎる。

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宇野港は本州から瀬戸内の島々に向かう玄関口。1988年に瀬戸大橋が開通する前は、高松港・JR高松駅と結ぶ主要な航路だった。高松を結ぶ高速艇は廃止され、現在の定期航路は以下の通り。
・四国フェリー 宇野港〜高松港(65分) フェリー
・小豆島フェリー 宇野港〜直島(家浦)〜直島(唐櫃)〜小豆島(土庄) 旅客船・フェリー  
・四国汽船 宇野港〜直島(宮浦)〜高松港 フェリー
瀬戸内国際芸術祭期間中は臨時便、臨時航路がでる。直島(本村)、直島(風戸)など。

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大型の観光バスに乗車し、直島(宮浦)行きのフェリーにバスに乗車したまま乗り込む。20分の短い航路。この間にバスで昼食を済ませる。外を眺めると島々の姿が近くに見える。葛島、荒神島。宮浦港に到着。それからバスで地中美術館に向かう。途中美しい瀬戸内海の景色に見惚れる。途中バスを停めて、海岸まで降りていく。大竹伸朗「シップヤード・ワークス 船尾と穴」の作品が突然現れる。現代的なオブジェクトだが、瀬戸内海の景色に溶け込んでいる。作品そのものが廃船をイメージしたそうなので。

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このあとベネッセの敷地の中を通り抜けと、地中美術館のレセプションのある駐車場に到着する。この地帯全体がアートで、ここから歩いたところに美術館の入口がある。15分単位での予約で、時間厳守。時間が来てからレセプションでチケットを受け取り、歩いて美術館に向かう。美術館は上下の移動が多い。斜めの直線、スリット、安藤忠雄らしい設計。モネの「睡蓮」シリーズの部屋、ウォルター・デ・マリアの教会のような空間、ジェームズ・タレルの異空間のような体験型アートなどが続く。

チケットオフィスから会場まで、館内での階段の登り降りで足腰が疲れてしまうので、休憩したくなる。そんなちょうどよいタイミングで地中カフェの案内。瀬戸内海の景色が一望できる、眺めの素敵な場所。外にも出ることができる。ドリンクはコーヒー以外に、地元のソフトドリンクが充実しており、カラフルなボトルが並ぶ。瀬戸内らしいレモネードを注文。「瀬戸キュン」という可愛らしいネーミングのボトルが用意される。紙のボトルホルダーに差し込み、ストローをさす。一口飲むと、酸味と発泡感が強力で、疲れが一気に吹き飛ぶ。「瀬戸キュン」は広島福山にある炭酸飲料製造の齋藤飲料工業の製品(商品開発:サカエヤ本店)。地元の一部にしか流通していないローカル商品。岡山と広島県産のレモン果汁を10%使っており、酸味の強さは半端ない。パンチ力がある。汗が引いた後は外に出てゆっくりと景色を楽しむ。素敵なカフェです。

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このあとはバスで本村地区に移動し、直島家プロジェクトに。「角屋」「南寺」「きんざ」「護王神社」「石橋」「碁会所」「はいしゃ」の7軒が公開されている。町役場のある中心地で、家屋が密集している地域。予約制のところは、どこも順番待ちで、バスの集合時間までには間に合わない。すぐ入れるところ中心にまわる。最初は「碁会所」。茶室のような小さな空間が2つ。家のアートというのは初めてだったので。何か奇抜なものをイメージしていたが、地域に馴染む落ちついた空間だった。
次に訪れたのは「直島ホール」。阿波人形浄瑠璃の舞台が中央に。東西南北に広がる空間。大きな屋根。この地域の集会場として、とても素敵な場所。四季ごとの日差しの入り方、風の流れ等を考えて設計されている。

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それから、家プロジェクトの「はいしゃ / 舌上夢 / ボッコン覗」に。歯科医院兼住居であった建物。ひなびた外観。昔ながらの狭い部屋。その中には巨大な自由の女神が2階までぶち抜かれている。それでも懐かしい空間。色々なものに、自分の思い出があるかのような錯覚。

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途中バス停が有り、直島をバスで周る人たちで行列ができている。次回芸術差に個人旅行で行くときは、島内の交通手段は考えて置かなければならない。

夏の暑さですぐ喉が渇くので、水分補給は欠かせない。ここは離島なので、自動販売機は殆ど見かけず、商店も殆ど見かけない。水分補給がむずかしい。カフェなんて少ないだろうと思い込んでいた。しかし、予想外に、島の中心地にはカフェが多く、休憩の場所に困ることはない。路地に看板が置かれており、そこにはかき氷の写真がある。駄菓子屋のカップにはいいているタイプではない、ちゃんとしたかき氷。ここで休憩することに決めて、細い路地をすすむ。古民家カフェ「和カフェ ぐぅ 」が現れる。
かき氷は1種類。宇治金時。シャリシャリとした氷。シンプルなシロップと練乳。一気に汗が引いていく。

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休憩の後は、「ANDO MUSEUM」に。瀬戸内の安藤忠雄の作品の紹介。とくに地中美術館の設計は興味深かった。建物全体は古民家だが、中は安藤忠雄のテイストに。

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集合時間までまだ時間があったので、本村地区をぶらぶら歩く。生協のスーパーがあったが、地元のものはわずか。家の庭から白鳥のボートの首がでている。これもアートなのか。案内板は見つけられなかった。

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集合橋に向かい、それからバスで宮浦港にもどる。海の駅「なおしま」もアート作品の一つ。大屋根で覆われた広いスペースで、待合室、土産物、カフェなどがある。近代的なすてきな場所。直島の景色ともマッチしている。直島観光がおわり、フェリーに乗り込むまでまだ時間があったので。宮浦港周辺を散策。銭湯やかぼちゃをみてまわる。小腹がすいたので「海の駅なおしま」内にある「カフェ おうぎや」でビールを飲むことにした。カウンターには、バケツに氷で冷やしている地ビールのミニボトルがある。美味しそう。券売機方式なので、ビールを買おうと思うが、生ビールしかボタンがない。地ビールを飲みたい人は「生ビール」を買うように書いてある。むずかしい。おつまみも欲しかったので、五目天串のチケットも購入。地ビールは香川ブルワリーの「さぬきビール ケルシュ」。氷水で冷やしているので、冷たすぎず、とても美味しい。ごくごく呑める。素晴らしい温度。五目天串は練り物。いやぁこれも美味しい。すっかり良い気分になった。おすすめ。

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宮浦港で有名なアート作品は、草間彌生さんの「赤かぼちゃ」ポップな作品。二次的な作品で、水玉の軽自動車があったり、フェリーも水玉模様に。港の立派なシンボルになっている。
時間があったので、直島銭湯「I♥湯」に。多種太陽なオブジェの固まり。人気があり観光客でいっぱい。猫も集まってくる。

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フェリーで直島から高松にフェリーで移動。約一時間。うどんがあるかなと思い、船内を見て回るが、なかった。残念。

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高松に近づくと、観覧車が見えてくる。遊園地かと思ったら、地元の書店「宮脇書店総本店」のもの。極僅かな滞在時間だったが、高松港近くの高松城に。城壁が瀬戸内海に接し、堀には海水が引き込まれている。堀を覗くと、魚やカニがいる。

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高松港は、広大で、各フェリー乗り場が離れている。飲食店がなく、食事をするのには、JR高松駅の方に歩かないといけない。フェリー乗り場にはうどん屋があると勝手に思い込んでいたので、がっかり。
宿泊先の小豆島に高速艇で移動。

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夜の瀬戸内海の景色が広がる。小豆島の土庄の港に近づく。明かりが見えて気持ちが落ち着く。下船するときに、客船の椅子のカバーを見ると、ごま油「かどや製油」の広告。土庄は、小豆島の本島と土渕海峡を挟んだ、別の島、「前島」の港。この海峡は世界一狭い海峡。最大幅は約400m。最狭幅は9.93m。ここから小豆島北部の「リゾートホテルオリビアン小豆島」に向かう。土庄は大きなショッピングセンターがある商業地域だが、すぐに山と海の島の景色に変わる。

到着後、ビュッフェ形式の夕食。観光地の大型ホテルで、ビュッフェ形式で良い印象はなかったが、ここは別だった。まず白ご飯が美味しい。これで気分は上ル。和食、中華、洋食、多種多様。ライブキッチンコーナーでは天ぷらや、出汁巻きをその場で作ってくれる。一口ステーキも焼き立てで美味しい。売店で売っているおみやげ物の佃煮もあり、ここで味見もできる。小豆島の名物のそうめんは、晩はシンプルに葱と生姜と出汁でいただく。アルコールは飲み放題のコースもあったが、フロアに人が少なかったので、お代わりを注文するタイミング難しいと思い、単品で注文。食事に集中できるからこちらの方が良い。
食事の後、温泉に入りすぐ就寝した。台風が近づいているのが心配。あすも天気が良ければいいのだが。波が高くなると船が出なくなるので、早めに本州に戻らなければならなくなる。
by izunosuke2005 | 2016-09-03 22:00 | 旅行記

ワイン、レストランそれと旅行の記録


by izunosuke2005