元町映画館で鑑賞。初めての映画館。会員登録しなくても、サービススタンプがもらえて、5回見に行くと1回無料になるシステム。これはお得。
今回鑑賞したのは、今話題の「薄氷の殺人」。久しぶりに香港らしい映画に出会うことができた。映像の構図がどれも素晴らしく、引き込まれてくる。冒頭の石炭工場の無機質なシーン一つとっても絵になる。主人公の男性刑事は女性の接し方が乱暴で、直ぐ押し倒してしまう。乱暴で共感できるものはない。
嫌悪感を持ちながらも、次から次えと出てくる謎に驚きながら、その謎の点がしばらくすると一本の線としてつながってくる。でも完全な線ではなく、まだ切れているところもある。ちょっと混乱気味になるが、一番驚いたのがトンネルのシーン。バラバラ殺人死体の犯人を探し、車でトンネルに入る。トンネルから抜けると突然雪景色に。もうここではてなマークがいっぱいになるカメラングルも誰かの視点になり、それが新たな登場人物のバイクの男になる。その男の視点お先に、雪の上に酔いつぶれている主人公の刑事が眠っている。突然何が行ったのか? この後、このシーンに変わった理由がわかり、このバイクもいろいろな場面で繋がってゆく。
ところどころ、クスっと笑うシーッも有り、何かのオマージュ的なシーンも有る。炭鉱の風呂場での巨体男性のヌード。銃乱射シーンでの吉本的演出。
後半のシーンでかかる歐陽菲菲の「嚮往」は、この映画の雰囲気にそぐわないと思われるが、なぜかスッキリと当てはまる。スパイシー・ラブスープのポップな映画を思い出す。
主人公の乱暴な男性も気にかかる人物だったが、この映画の魅力はクリーニング店員役のグイ・ルンメイだろう。「藍色夏恋」の時は、本当に可愛らしい高校生役だったが、こんなに引きつけられる女優だったとは。
映画『藍色夏恋』(2002年、台湾・フランス合作)