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映画『大いなる沈黙へ-グランド・シャルトルーズ修道院-』(2005、フランス・スイス・ドイツ)





先月岩波ホールに見に行ったら満席で観ることができなかった。関東で上映している映画館がここのみというのはリスクが高い。今度は新宿のシネマカリテで上映していたので、早めに映画館で座席予約。オンライン予約できないところは少なくない。


グランド・シャルトルーズ修道院は冬期オリンピックのフランス、グルノーブルの近くにあり、シャルトルーズ山地のグラン・ソム峰にある自然豊かで険しい地形の場所。1084年設立。修道院とは、イエス・キリストの精神に倣って祈りと労働のうちに共同生活(修道生活)をするための施設。
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厳しい戒律の中、静寂の中ひたむきに生活を続ける。休息日にはスキーを楽しんだり、仲間たちを普段は禁じられている会話を楽しんだりしている。まれに出張もあるようだ。修道院の戒律の厳しさが、修行の大変な場所という印象を持ってしまいがちだが、映像から通してみる彼らの生活は豊かで、精神的に穏やかな世界だと思った。平穏無事な生活を送っている。天寿を全うしようとしている修道士の顔はなんて穏やかなんだろう。食事も簡素ではあるが粗食とはいえない。
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構想から21年を要している。当初撮影の許可がおりず、「まだ準備はできていない」と断られる。そして準備ができたとの連絡が入り、やっと撮影ができる。音楽はなく、ただ生活音がながれているだけである。ライトもなく自然光で撮影。お祈りの際のグレゴリオ聖歌の美しい歌声が印象的。
村上春樹さんの「雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行」でギリシャ正教の聖地アトスの旅行の様子が詳しく語られている。ここでは粗食でひたすら不満、文句を吐き続ける。修道院とはそんなものと思い込んでいたが、この映画で描かれている姿は正反対だった。
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by izunosuke2005 | 2014-09-23 15:00 | 映画・観劇

ワイン、レストランそれと旅行の記録


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