【映画】『牯嶺街少年殺人事件』(1991台湾)4Kレストア・デジタルリマスター


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神戸・元町映画館で鑑賞。特別上映で全国一律2,200円。
1991年に公開された時は3時間8分版であったが、今回の4Kレストア・デジタルリマスターでは3時間56分版。約1時間長い。
上映は休憩はないが、鑑賞後は一切長さを感じなかった。エンドロールが流れたときに、初めて、もう終わりなんだと感じたぐらいだった。この長い映画を修復する作業を想像すると気が遠くなる。修復作業については、次の動画で紹介されている。これをみると、映像に息が吹き込まれているみたいだ。例えば、医務室のドアの塗装に映る二人の影や、暗闇の乱闘シーンでの懐中電灯の光の具合は、ただ驚くばかりである。




この映画の魅力の一つは、小四(シャオスー)役の張震(チャン・チェン)だ。少年らしい笑顔を見せるときもあるが、不安で苛立つ姿は中年となった今の雰囲気にも通じる。セリフがなくても、立ち姿や、目線で伝わってくる。最初に張震を知ったのは映画「地下鐵」。台湾の絵本作家の幾米の実写化。社内恋愛で失恋する内気な青年を演じている。香港でビデオCDを買って知った作品。メインストリーのトニー・レオンよりも印象に残った。
そして、この物語の中心で周りの人たちを次々に巻き込んでいく、 小明(シャオミン)役の楊靜恰(リサ・ヤン)もこの映画の重要な魅力だ。美人ではなく、幸うすい顔。彼女の存在感が大きい。最初の頃は謎めいた少女だったが、

小四 「君を助けられるのは僕だけ。守ってあげる」
小明 「私を変えたい? 私はこの世界と同じ、変わるはずがない」

この台詞ではっと、彼女の内面を垣間見た気がした。
エドワード・ヤン監督がアメリカで彼女を見つけ、家族を説得し、出演させたそうだが、その後は映画の世界には進まなかった。2016年9月にニューヨークで張震が楊靜恰と再開し、SNSにアップしている。

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主役、準主役が光った作品だが、脇役の青年たちが素晴らしいので、主役が引き立ったのかもしれない。

次に作品の特徴は懐中電灯、オープンリールテープなどの小道具だろう。懐中電灯は、最初の映画撮影所のシーンで盗んだ後、ずっと身から離さず持っている。小四の心の動きをあらわすかのように、暗闇を照らす。世界を変えることができると思い、暗闇に明かりをテラスが、退学が決まり、小明との将来も見えなくなったときには、その懐中電灯を持っていない。

映画内の曲もとても効果的だった。アメリカの文化が流れ込んでいるところは、戦後の日本と重なる。

「Rosie & The Originals - Angel Baby」


「Elvis Presley - Are You Lonesome Tonight Fantastic Video」


「Frankie Avalon - Why HQ」



牯嶺街(クーリンチェ)は地名で、殺人事件があった場所。撮影場所もファンで特定されており、ロケ地巡りも整理されている。


「予告編」(日本)

「予告編」(台湾)



※事件当時の新聞報道
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by izunosuke2005 | 2017-05-05 13:10 | 映画・観劇 | Trackback | Comments(0)

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