映画『家族の肖像』デジタル完全修復版(シネ・リーブル梅田)

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ヴィスコンティのヘルムート・バーガー愛に溢れた映画。

家族の肖像の絵画を収集しながら老後を静かに過ごしている教授の生活に、伯爵夫人ビアンカとその愛人コンラッド、娘リエッタと同居人の若者ステファノ達が入り込んでいく。舞台は教授の屋敷のみで、ローマの街のシーンはない。一瞬、バルコニーのシーンもあるが、ここではバルコニーの彫刻の重厚さに目がむいてしまう。

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同居するのはコンラッド役のヘルムート・バーガーのみだが、伯爵夫人親子も事あるごとに、家族のように教授の生活に干渉していく。印象的だったのは電話をかけるシーンで、コンラッドも、どうでもいいような電話を、何度もかける。電話番号を暗記しているのは、当時としては当たり前だが、いまでは携帯電話のボタン操作のみなので、あんな風に電話はすぐにはかけられない。娘のエリッタもよく電話をかける。現代の日常が絵画だけの教授の部屋をどんどん占領していく。


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フリーセックスのシーンや、現代風のインテリアに改装された部屋など、どんどん現代の生活が入り込んでいく。そんな状況で、教授の奥さんの清楚な立ち姿の映像が挟まる(一瞬だが、クラウディア・カルディナーレの美しさにハッとする)。まるで家族の肖像の絵画の構図のように。次第に、教授もそのような生活を受け入れようとなるが、政治思想でコンラッドとステファンが喧嘩が始まると仲裁するので精一杯になる。


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静かに過ごしたい教授の気持ちがよく分かる。絵画の世界のように。自分もそのような、自分で美化した世界に隠れて生活をしているのかもしれない。

・オリジナルの予告編(Gruppo di famiglia in un interno (1974), Luchino Visconti - Trailer)




・デジタルリマスターの予告編





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by izunosuke2005 | 2017-03-19 12:05 | 映画・観劇 | Trackback | Comments(0)

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