映画「オレンジと太陽」



新聞の映画評を読んで、真実を知りたくなり、早速観にいくことにした。ラジオでも取り上げられ、日本での関心が高まっているようだ。チケットを買い、余裕をもって40分前ぐらいに映画館に行くと、すでに長蛇の列。10階にある岩波ホールで、非常階段沿いに並んでいる。最後尾は8階の踊り場。比較的年齢層が高い。ちなみに当日券で1800円、身体障害者割引は1400円。

ソーシャルワーカの日常で、子供を育てることができない親から乳児を引き取る場面から始まる。ふとしたきっかけで児童移民の真実に気づく。
原作『からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち』 マーガレット・ハンフリーズ(Margaret Humphreys)を元に映画化されている。いろいろなフィルムメーカーからオファーがあったが、関係してきた人に裏切られたという思いを決して持たれないようにしたく、断り続けていたらしい。ジムローチの描き方は、主観や怒りを全面に出さず、ただ自分が本当に誰だったのか、欠けたパーツを探しだす様子を淡々と描いている。しかし、悲惨な経験は重々しく、一生分の悲しみを少年少女時代に送った人たちにとって壮年になったいま、涙を流して悲しみ、怒りを表面に出すことができなくなっている姿を目の当たりにして、悲しみ以上のものを全身で感じてしまう。

児童移民はオーストラリアだけではなく、他の旧植民地のカナダ、ニュージーランド、ジンバブエ(旧ローデシア)にも及んでいる。安価な労働力を得るためだけではなく、大英帝国の純血を守るための背景もあるようだった。関わっていた人たちも慈善団体であるが、そのような政策の背景があり、人権よりも団体の利益を優先するような人からすると、日々のしわ寄せは弱いところに集中する。いまの日本でも同じである。
[PR]
by izunosuke2005 | 2012-04-21 14:00 | 映画・観劇 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://izunosuke.exblog.jp/tb/20247395
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< スヰートポーヅ(神保町) 【閉店】カフェフルーク(神保町) >>