映画「別離」(2011)



梅田ガーデンシネマで鑑賞。

第61回ベルリン国際映画祭で金熊賞、そして女優賞、男優賞の2つの銀熊賞の計3部門で受賞。第84回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞し、脚本賞にもノミネートされる。主要新聞紙上のレビューではいずれも高評価。日本の劇場では、イラン映画は興行的に難しいのか、数が少ない、関西では梅田ガーデンシネマのみで、あとは最近できた小劇場の元町映画館が遅れて上映する予定。

中流のイラン家庭で起こる夫婦間の意見のズレは、別居につながり、その狭間で中学生の娘が小さな心を震わせながら苦しむ。いずれの登場人物も、自分の気持ちや、信条、に正直に一生懸命生きようとしている。自分の考えは正しく、それを受け入れてもらうことを主張し続ける。折り合いをつけるなどは、全く選択肢がないように思える。

ある事件をきっかけに、小さな嘘が幾重にも重なっていく。その歪は小さいが、色々な歯車を狂わせていく。映画ではイランでの男女そうれぞれの社会的立場や、宗教上の行動規範がクローズアップされているが、日本や他の外国でも似たような悩みの類似性に結びつけて観ることができ、物語に引きつけられていく。

主演の女優・男優の演技も素晴らしいが、脇役を含めて、すべての登場人物の人間性に惹きつけられた映画だった。特に娘テルメーの演技が、現実感を増していき、見ている自分もこの家族の一員で、みんなと同じく、どうすればいいのか、と深く悩んでしまう気がしてしまった。

それほど、こころの奥深く入り込む映画だった。
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by izunosuke2005 | 2012-05-01 10:00 | 映画・観劇 | Trackback | Comments(0)
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